2016-01-01から1年間の記事一覧

ビルマの「太陽外交」

中国やASEAN諸国の、こと人権問題についての立場は西側諸国よりもビルマにより近い。アジア発展途上国の指導者たち、江沢民、リークアソユー、マハティールらはしばしば欧米諸国からの人権論議に反駁する。曰く、アジア最大の人権問題は国民に十分食べ…

ECUを構成通貨単位に分解する

ECUの弱点として、しばしば「最後の貸し手」としての中央銀行の不在が指摘される。しかし現在のECUの現実的運営構造からみて中央銀行の不在は何らの支障もえなかった。特に私的ECU市場の中心は銀行間市場であり、銀行が各種通貨を別々に借り入れて…

交渉の切り札

結果的に見れば、この制度は功罪相半ばした、と言えるだろう。「功」の部分は、国連の分裂を回避し、消極的な意味にせよ、中立・公正という原則を守り通す安全弁として機能した点だ。「罪」の部分は、東西の大国が関与する紛争について、拒否権の発動による…

複合民族国家の抱える問題

新経済政策の立案・施行にあたったのがマレー人の官僚テクノクラートであり、開発行政に最高のプライオリティーがおかれた。経済計画局がその中心であり、欧米で博士号を取得したマレー人エリートがその任にあたった。イギリス植民地時代の伝統を引き継ぎ、…